初詣へ行きましょう

<初詣へ行きましょう。(C)[CCS×中毒]>       ポット

寝惚け頭の中にある意識を整える為に、何回かに分けて息を吸っては吐く。
国際ゲートを通り、荷物を受け取って、ロビーへ出れば、晴れ着姿の女性達。その中から一際美しい彼女を見つけ、微笑みかけた。
「珍しいなあ。侑子がここに来るなんて。」
「随分と失礼ね。あけましておめでとう。クロウ。」
微笑む彼女が纏う濃い紫色の着物には、薄紫色の蝶を見上げる白い兎が描かれている。
「やっぱり似合うね。その晴れ着。」
「貴方のお見立てよ。似合わない筈が無いわ。」
柔らかく微笑む彼女を、抱き締めたかったが、ここには多くの人がいる。
「このまま初詣へ行こうか。」



先程夢に出てきた血筋と同じく、寝惚けた頭の中にある意識を整える為に息を吸ったり吐いたりする。

 国際ゲートを通り、荷物を受け取って、ロビーに出れば、幾つもの晴れ着の波から一際可憐な少女が飛び出す。
「さくら。毎回有り難うな。」
「どういたしまして。あけましておめでとう。小狼君。」

微笑む彼女が纏う薄桃色の着物には、桜を見上げる兎が描かれていた。

夢で見た着物の事を考えれば、このセンスは遺伝なのだろうか。

「やっぱり似合うな。その着物。」
「小狼君が選んでくれたから、間違いは無いよ。」

柔らかく微笑む彼女を抱き締めたかったが、人が沢山いる。

このまま初詣へ行こう。血縁と同じ事を考えた。
 
<コメント>
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