僕と君
<僕と君>            姫乃
 
僕の名前は雨寺輝(あまでらあきら)
友枝町にこの前引っ越してきた小学6年生だ。
 
「ここが僕の新しい家?」
 
「そうよ。今日からここが輝の新しい家よ」
 
「ふ~ん・・・・」
 
前の家のほうがよかったよ…
 
「お母さん、学校はどうするの?前の学校行きたいんだけど。転校しなくちゃダメなの?」
 
「輝が前の学校がいいって言うなら転校しなくてもいいわよ。今の家からも近いでしょ」
 
「うん。ありがとうお母さん」
 
僕はお母さんとお父さんの3人ぐらし
ちょっとお父さんの用事で友枝町っていうところの近くの南町ってとこに引っ越してきた
 
「お母さん、僕ちょっと隣町の方にいってくる」
 
「気を付けてね」
 
「うん。」
 
―友枝町
 
『へぇ…ここが友枝町か』
 
結構いいところじゃん
 
「もー!山崎君ったらウソばっか言ってー!」
  
「本当だよ。昔バレンタインはバレンとタインってひとがいて」
 
「はいはいι」
 
あの2人…
 
「あれ?」
 
あ、男の子のほうが僕をみた
 
「君ここじゃみかけないね、どこからきたの?」
 
『となりの・・・南町』
 
「そうなんだ!僕、山崎貴史よろしく」
 
『雨寺・・・輝』
 
「輝君か、よろしくね」
 
『よろしく』
 
「三原千春です。よろしくね」
 
『よろしく』
 
仲良くなってしまった・・・
 
「輝君は友枝小学校に転校してくるの?」
 
『ううん。お母さんが前の学校でいいって言うから・・・前の学校のままだよ』
 
「そうなんだ。あ、南町と言えばね…」
 
と、山崎貴史というやつが話し始めた
 
「昔は“悪魔の町”と呼ばれた町なんだよ」
 
『“悪魔の町”?』
 
「うん。昔、ツフィル=ゴーンって言う大悪魔がいてね、その大悪魔が明るい南町をくら~い南町にしたんだって」
 
『そうなのか・・・』
 
全然知らなかった
今もそうなのかな
 
『なぁ』
 
「ん?」
 
『今も・・・そうなのか?』
 
「今は違うみたいだよ。」
 
『へぇ・・・』
 
今は違うんだ。
よかった
 
「はいはいιウソはいいからね」
 
『ウソ?』
 
「山崎君いつもウソばっか言ってるんだよ」
 
『ウソ・・・・だったのか』
 
「あははははははー」
 
「「あははははははー」じゃないでしょー!もー!」
 
千春が山崎の首をガンガン揺らす
 
「でも面白かったでしょ?」
 
と、山崎
 
『信じてしまったι』
 
「あははは!」
 
そして山崎と三原と近くの喫茶店で話をした。
 
この2人は本当に面白い
 
『あ、そろそろ家に帰る』
 
「うん。じゃぁまたねー」
 
「輝君、ばいばい」
 
『あぁ。』
 
「また会えたらここで話そうねー。またいっぱい(ウソの)話するから」
 
「ウソの話はやめてよね」
 
「バレた?」
 
「バレバレι」
 
『クスッ』
 
本当に面白いなこの2人・・・
また会えたら嬉しいな
 
―翌日
 
『いってくる』
 
「いってらっしゃい」
 
ガチャっ
 
僕はいつもの時間より30分も早く家を出た。
なぜなら今の家から学校まではだいぶ距離があるからだ
 
『あ、ここ…』
 
昨日山崎と三原と話した喫茶店だ
 
『早く行こう』
 
「あれ?輝君?」
 
突然名前を呼ばれた。
 
振り向くと
 
『山崎』
 
「貴史でいいよ。それにしても早いね」
 
『今の家から学校まですごく距離があるからな』
 
「そうなんだ。」
 
『貴史はどうしたんだ?朝早く』
 
「僕は散歩。毎朝ここを通ってるんだ」
 
『そうなのか・・・・・。あ、そろそろ行くな』
 
「うん。ばいばい」
 
『じゃあな』
 
また貴史に会えそうな気がする。
 
―放課後、友枝小学校前
 
貴史の学校まで来てしまった・・・
 
貴史はいるだろうか?
 
「あれ?輝くん?」
 
『三原』
 
「どうしたの?」
 
『いや、別になんでも・・・』
 
貴史に会いにきたとは言えないι
 
「あ!山崎君!」
 
びくっ!!
 
「やぁ(^^)・・・あれ?輝君。どうしたの?」
 
『別に…寄っただけだ』
 
「そうなんだ。あ、これから3人で昨日の喫茶店行かないかい?」
 
「あ、私ピアノ教室だ。ごめんね山崎君」
 
「そっか。頑張ってね」
 
「うん!ありがと!じゃあね」
 
「バイバイ(^^)」
 
そして僕たちは喫茶店に行った
 
「僕ね、昨日輝君と会ったとき、“また会えそうな気がする”って思ったんだ」
 
『僕もだよ。貴史と会った日ににそう思ったんだ』
 
「気があうね僕たち」
 
『そうだな』
 
そして1時間ぐらい話したところで…
 
「輝君はどうして南町にきたの?」
 
『お父さんの仕事の都合できたんだ』
 
「そうなんだ」
 
『貴史は三原と仲がいいんだな』
 
「うん。千春ちゃんとは幼稚園からの付き合いだからね」
 
『そうなのか』
 
「うん」
 
そして・・・
 
『あ、そろそろ帰るな』
 
「うん。またね」
 
『じゃあな』
 
「あ!輝君!」
 
『?』
 
「電話番号教えて?連絡するから」
 
『あぁ。』
 
そして僕たちは連絡先を交換し合った
 
『じゃぁ連絡待ってる』
 
「うん。じゃあね」
 
―夜
 
プルルルル♪
 
プルルルルル♪
 
カチャ
 
「はい。雨寺です…。あ、ちょっと待ってね。・・・・・・輝ー!お友達から電話よー!」
 
『今行く』
 
タタタタタっ
 
『ありがと』
 
カチャ
 
『もしもし』
 
「あ、輝君?僕」
 
『あ、貴史。』
 
「早速連絡しちゃった」
 
『大丈夫だよ。全然』
 
「そっか。よかった」
 
僕らは2時間ぐらい長電話をした。
長電話をしたから怒られてしまったι
 
『ごめん、貴史。また連絡する』
 
「あ、うん。またね」
 
ガチャ
 
明日も・・・・会えるかな
 
―翌朝
 
『いってきます』
 
「いってらっしゃい」
 
今日も昨日と同じ時間に家を出た
 
『今日も会えるかな』
 
そう呟いたとき・・・・
 
「あ!輝君」
 
『貴史…』
 
「おはよう。」
 
『おはよう』
 
貴史は今日も散歩中みたいだ。
 
「ちょっと話していかない?」
 
『ああ。』
 
「輝君はさ、大切に思ってる人っているかい?」
 
『何だ?急に』
 
「なんとなくね」
 
『?』
 
どうしたんだ?貴史…
昨日の貴史とちょっと違う
 
『大切な人か…そうだな。今はいないけど前はいたな』
 
「どんなひと?」
 
『僕より1個上の人でとても素敵な人だった』
 
「そうなんだ」
 
『でも1年前、遠くへ行ってしまったんだ』
 
「外国とかにかい?」
 
『ああ。でも連絡は取ってない』
 
「そっか。」
 
『貴史はいるのか?』
 
「うん。いるよ」
 
貴史の大切な人って誰だろう。
やっぱり三原だろうか
 
『貴史の大切な人って三原か?』
 
「よく分かったね!そうだよ。僕の大切な人は千春ちゃんだよ」
 
やっぱり
 
『貴史じゃ千春ちゃんのことがとても好きなんだね』
 
「うん。でも輝君もすきだよ」
 
『え?』
 
「面白いから」
 
『は?』
 
面白い?僕が??
 
「僕ね、輝君とはいい親友になれそうな気がするんだよ。」
 
『僕と…?』
 
「うん。だから、」
 
だから??
 
『だから?』
 
「これからも仲良くしてね」
 
『当たり前じゃないか。』
 
こうして僕たちは今までの友達より
もっと、特別な友達、つまり親友になった。
 
でもそれは数年後のお話。
 
○えんど○
 
<コメント>
姫乃さんのサイトでリクエストした小説を頂きました!

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